出会ってしまった、タクシー窃盗団
まみむさんが多忙なので、おこめが今回書きます。
先週、小学生のとき以来の高熱を出しました。
関節が痛い&だるさで起きて熱を測ったらまさか38℃越えで、状況判断できなくてとりあえず洗濯機回すという奇妙な行動に出ました(笑)
最高で39.4℃。つらすぎて涙ボロボロでした。洗濯してしまったものだから取り込まなくてはならず、朦朧とする中で取り込んで畳むという「高熱時に洗濯するな」という一生の教訓ができました。
同じ敷地に住むボランティアさんたちがポカリと食べ物を定期的に供給してくださり、生き延びることができました。感謝しかありません。ボランティア仲間の優しさがクリスマスプレゼントでした。
ちなみに、高熱すぎて手がふやけたのかiPhoneの指紋認証が利きませんでした。驚き。
さて本題、
ガボンの首都の12月は窃盗やひったくりなどの軽犯罪が増える月です。
クリスマスを祝うお金が欲しいからです。
いつも以上に気を張って生活する日々ですが、ついに出会ってしまいました。
朝、職場に行くにはいつもタクシーに乗って行っています。
タクシーと聞いて「優雅な通勤だな」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも忘れてはいけません、ここはガボン。
値段と行き先交渉から始まり、
運転手が行きたい場所じゃなかったり、値段が気に食わなかったりしたら無言で去って行かれるという塩対応に負けず、
なんとか乗れても乗り合いだからデカいマダムのお尻に追いやられて細くなって座り、
窓は閉まらないので傘をさしたいと思うほどに雨水を浴び、
シノア(中国人)は金持ってるんだからもっと払えよという腹立つ運転手と戦い、
肌の白い人と寝たいというセクハラ野郎をかわし、
無事に目的地に着いて降りても、砂埃だらけの座席のせいで汚れた服に絶望する
というストレスフルな移動がこの国のタクシーです。
(右側の色の塗ってある車がタクシー)
でもたまには笑えるシチュエーションもあるのもタクシーの面白いところ。
(写真中央にご注目)
助手席に乗ったら目の前にそのままフランスパンが置いてありました。
おそらく人生でなかなか出会わないシチュエーションです。(笑)
そんなタクシーに乗る毎日ですが、先日もいつも通りに乗って通勤をしていました。
私が乗り込んだタクシーは既に客3人が乗っていて、私が乗ったことで満席となりました。
私の左には大きいマダム、その隣には中年男性、運転手の横の助手席にはやや若めの男性が座っていました。
走り出して数秒ほどで左端の中年男性が「座席が濡れてる」と騒ぎ始めました。
すると運転手が後ろの席へ手を伸ばし、「ほんとだ濡れてる。朝洗車したからだな」と言うと、私に向かって「アミ(友達という意味の、知らない人にでも使う呼び名)、前の席に乗ってくれ」と言ってきました。
「は?助手席に?いやいや、もう人が座ってるじゃん」と駄々をこねましたが、運転手は「座席が濡れてるんだから、前に乗ってくれよ」と移動を推してきます。
あれ、このシチュエーション、知ってるぞ。
この時すでに8割程疑いを持っていました。
でもまだ確定ではないと、好奇心が勝った私は助手席に移動しました。
若めの男性と私、2人で助手席に座る形になりました。
すると男性が「狭いから、腕を僕の肩にまわして」と言ってきました。
「やだ」と一蹴し、前を向くと、視線を感じます。
男性は私の荷物を凝視しているのです。
この時点で9割ほど確信しました。
つぎに来るとしたら、「サイドミラー直して」だなと考えていると…
「アミ、サイドミラーが変だ!直してくれ!」
おいおいマジかよ、ほんとに来たじゃないかと疑惑は完全なる確信に変わり、
これ以上この車に乗るのは危険だと判断し
「降りる!ここで、おーりーる!」と言い、運よくすぐそばにタクシーを停められるスペースがあったのでそこで逃げるように降り、タクシーも逃げるように急いで走り去っていきました。
タクシーに乗ってから僅か1分半くらいの出来事でした。
実はこれ、客と運転手がグルの典型的なタクシー窃盗の手口なのです。
ターゲットを助手席に座らせて密着し、狭くて身動きが取れない状況にしたらサイドミラーやルームミラーをいじらせて、意識がミラーに向いているすきにポケットやカバンから金になる物を盗る、という手口です。
何年も前からある手口で、過去にJICA関係者も被害にあったり未遂にあったりしています。
まさか今回、私が朝っぱらからこの窃盗団にであるとは、驚きでした。
何年も方法を変えず、テンプレ通りの手口で挑んでくるグループにも驚きです。
でももし私がガボンに来て間もない頃だったら、もしこの手口を知らなかったら、と考えたら恐怖を感じます。おそらく見事に引っ掛かっていたと思います。
幸い私は何も盗られず、無傷で無事に降りられましたが、もしこのグループが暴力的な人たちだったらどうなっていたか分かりません。
ほぼ黒だと分かっていながら好奇心を優先して助手席に乗った私は大バカ者だと反省しました。
ちなみに、私のその日のカバンの中身は自分でも財布を探すのが大変なくらいにごっちゃごっちゃしていました(笑)
盗まれる対策としてカバンの中身を整頓しないのはアリかもしれません(笑)
聞いたところによると、各国でこういう窃盗団はいるらしくウガンダは「助手席のドア閉まらないから手で押さえてくれ作戦」らしいです。
みなさん、旅行に行くときは気を付けましょうね。
話は始めの高熱に戻り、
こんな危険なタクシーがはびこる首都ですが、
病院に行きたいけどJICAの車が出払ってて足がないという高熱の私に「タクシー乗っていけば?」と指示した、タクシーに乗ったこともないJICAの健康管理員は一生恨みます。
※さすがに高熱でこの国のタクシーは危険すぎると判断した調整員さんが、なんとかJICAの車を出して私は無事に病院や薬局に行けて助かりました。
以前、私はガボンのタクシー事情について書きましたが、その中にこのタクシー窃盗のことも書いていました!
1年前に予習していたようです(笑)
以上、典型的なタクシー窃盗団に遭遇した話でした!
みなさん、2019年もガボンマタンを読んでいただきありがとうございました。
私たち2018年1次隊の任期は残り半年、現職参加のキティとそーめんは残り3ヶ月です。
各々精一杯残りの時間で活動させて頂きます。温かく応援していただければ幸いです。
では、よいお年を!2020年もよろしくお願いいたします。
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