ピアエデュケーター活動 ~若年妊娠、HIVで苦しむ人を減らしたい~
みなさまBonjour.
首都のHIV専門のセンターで働いている看護師・保健師のむーみんです。
ガボンで働き始めて一番ショックだったことは、ガリガリにやせ細ったエイズ患者さんたちが、目の前で簡単に亡くなっていくことでした。HIVは予防可能なうえ、感染しても適切な治療を受ければ、高血圧や糖尿病など他の慢性疾患と変わらず、日常生活を送ることができます。それなのに、なすすべなく亡くなっていく患者さんや泣き叫ぶ家族の姿を見るのは、本当につらくて、やるせない気持ちになります。
昨日啓発活動をしていたときにも、泣きながらつらい経験を打ち明けてくれた方がいました。Aさんの姪っ子さんは、両親をエイズで亡くした「エイズ孤児」で、複雑な家庭環境のもとで育ちました。14才のときに実の叔父からレイプされ、妊娠してしまったそうです。誰にも言えないまま、病院にも行けず、妊娠6ヶ月に入り、とうとう膨らんだお腹が隠しきれなくなってしまいました。途方に暮れたその少女は、自ら金属の棒を子宮に刺し、大量出血をしているところをAさんが発見し、その少女はAさんの腕の中で亡くなってしまったのだそうです。。つい2ヶ月前のことです。
これはAさん家族に限ったことではありません。世界全体では、15-19才で出産する少女は年間1600万件にのぼり、この年齢層の死因の2位は若年妊娠(20才未満)です(WHO)。HIVに関しては、2017年の陽性者数は3690万人、新規感染者数は毎年180万人、死者数は77万人にのぼります(UNAIDS)。
ガボンでは、15-19才のうち28%がすでに妊娠または出産を経験しているうえ、15-24才のHIV陽性率は1.5%と依然高いです。
このような状況に対処すべく、着任してからの1年間、経験豊富な先輩方(助産師・エイズ対策隊員など)や西アフリカのNGO・AfriYAN、母子保健局と協力しながら、地域(家庭訪問、教会など)や学校での予防啓発活動や、研修の企画・運営に力を入れてきました。
JICA所長やUNFPA所長のご高配により、UNICEFやUNFPAなど国連機関に活動をアピールすることもできました。UNFPAでもインターンをさせていただきながら、各機関のレポートやアクションプランを確認しつつ、連携の可能性について話し合いを進めることができています。
10月からは、パイロット校2校にクラブサンテ(保健クラブ)を設立する予定です。
なんとかして、少しでも若年妊娠、HIVで苦しむ人を減らせますように。。。